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#3-第3話『腐っても鯛』
「…BL同人誌…とか?」
好きな本と言われて完全に冗談のつもりで口に出す。
…まあ、個人的には興味がないわけじゃないし、
手に取ったことがないとも言わない…言わないのだけど…
さすがに引かれたか、と思って詩歌の顔を見てみると、どうも様子がおかしい。
「………」
「あ…や、やっぱりそんな事ないよね!図書館には無い物だもんね!」
「BLって…」
「え?」
「BLって、男の人同士がイチャイチャラブラブするあれですよね?」
「あ、うん」
「タチとか受けとか×の前後とかのあれですよね!!」
しまった。
どうやら何かスイッチが入ってしまったらしい。
「そうだけど…あれ…?もしかしてしっかり好き…とか?」
「うん!今までに無いくらいくっきりと思い出せてるの!」
…ああ。
本物の腐ってる人だった。
「けどさ、それなら何で図書館?」
「うーん…その辺も少し思い出せたけど、普通に図書館に置いてあるような本も好きなの」
「単純にBLがそれより上、と?」
「表立ってそうと言われていないだけで、そういう要素がある本も結構あるし」
「あー…」
確かに。
そういう言葉ができる前にもその手の物はあっただろう。
「それに…なければ作っちゃえばいいだけだし…」
「そういうものなんだ…」
「そういうものなんです!よかったら今度一緒に見に行かない?」
「そういう事は記憶戻りきってから考えようよ…」
なんともまあ、気の早いことだ。
「あ、そうだよね…美咲さんにも都合もあるだろうし…」
「うん、まあ…そろそろ学園祭の準備もあるし…」
そこでふと思い出す。
詩歌の制服。確か近所の女子高のものだ。
あそこの学園祭は入場制限が厳しいので有名で、クラスの男子がチケット手に入らなかったとか騒いでた気がする。
それが確か…
「どうかしたの?」
「ねえ…あなたの学校、先週学園祭あったはずなんだけど、何か思い出せないかな?」
最近あったイベント。
十分に記憶の鍵になるはずだ。
「学園祭…そういえば…」
鞄の中に手を入れて何かを探す詩歌。
出てきたものは、その学園祭のパンフレットだった。
「結構色々な事やってるね…」
演劇から軽音部ライブ、果てはメイド喫茶まで。
「何かには参加してたと思うんだけど、どれだろう?」
「そうだなあ…」
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第2話はBLの圧勝でした。
第3話は学園祭内のイベントになります。
投票期限は22日(木)19:55まで、プール掲示板で受け付けます。
投票、ステージ3回目は終了しました。
3pt・【a】演劇とか?
-8pt・【b】まさかの軽音部?
23pt・【c】流れでメイド喫茶?
で、メイド喫茶に決定しました。
では#4をどうぞごらんください。